【ENFPのモヤモヤとESTJの正しさ】すれ違う2人の心理をMBTIで解説
こんにちは。
今日は少しタイプ論の実例をもとに、ENFPとESTJの相性とすれ違いについて掘り下げてみようと思います。
この話のきっかけは、あるENFPの友人からの相談でした。
「ある人の態度にずっと引っかかってる。でもその人は悪気ないんだろうなって思う。だけどやっぱりしんどい…」
というもの。
私はINTJとして、普段からMBTIの視点で人のコミュニケーションを観察しています。
この相談も「タイプの違いによるすれ違いだな」とピンときました。
- ENFPの繊細な感受性:「気にしない」は難しい
- ESTJの特徴:反応よりも結果がすべて
- すれ違いの構造|やさしさ vs 正しさ
- 実際のエピソードから読み解く心の揺れ
- INTJとしての通訳|“無視”ではなく“集中”だった
- ESTJがストレスを感じる瞬間とは?
- どうすればすれ違わない?|関係改善のヒント
- タイプは「理解不能」ではなく「翻訳が必要」
- まとめ:自分の“受け取り方”を疑ってみよう
- タイプ別ヒント集|ENFP・ESTJにできること
- あなたへの問いかけ|この関係から何を学べる?
- おわりに|違いを理解することは、橋をかけること
もくじ
1. ENFPの繊細な感受性:「気にしない」は難しい
ENFPの友人が引っかかっていたのは、ある場面で自分の発言や存在が「完全にスルーされた」と感じたことでした。
メッセージにリアクションがなかったり、視線を合わせてもスルーされたり。
その積み重ねに「私は受け入れられていないのでは…」と感じてしまったそうです。
この「反応がない=否定された」という感覚、Fi(内向的感情)を補助機能に持つENFPにはよくある心の動きです。
「相手がどう思っているか」「自分の価値がどう扱われているか」を無意識に読み取ろうとしてしまうんですね。
でも、相手(ESTJ)はそこに意図を持っていたわけではない。
むしろ「反応する必要性を感じなかった」「タスクに集中していただけ」かもしれません。
2. ESTJの特徴:反応よりも結果がすべて
では、その相手であるESTJの視点はどうだったのでしょうか?
ESTJは外向的思考(Te)を主機能とするタイプです。
これは「正しいことを、正しい方法で、効率的に進める」ことに価値を置くタイプ。
・資料によると、ESTJには以下のような傾向があります:
・明確な目標を達成するために計画を立て、実行に移す
・結果や効率を重視し、ムダなやりとりを省こうとする
・自分のやり方に自信があり、新しい方法や感情的な意見は無視しがち
・対応は早いが、感情に関する話題には鈍感
つまりESTJは、「今この瞬間、自分がやるべきことに集中」していて、それ以外のこと(たとえば誰かの感情や気づかい)にはリアクションを返す重要性を感じていないことがあるんですね。
3. すれ違いの構造:やさしさ vs 正しさ
今回のやりとりの構造を、もう少し深掘りしてみます。
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ENFPの友人はこう感じていました
・「がんばってやってみたのに、無視された」
・「リアクションがないのは、興味がないってこと?」
・「私はここにいていいのか、不安になる」
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一方、ESTJの人がしていたことは
・「必要がないから反応しなかった」
・「やるべきことに集中していた」
・「別に無視したわけじゃない。感情を扱うのは苦手」
どちらも悪くないのにすれ違ってしまう。
ここには「やさしさ」と「正しさ」の極の違いがあります。
ENFPは「その場の空気」や「人の気持ち」に共鳴しようとする。
ESTJは「物事の目的」や「タスクの正しさ」に集中する。
ENFPにとって「やさしさ」は大切な信頼の証し
ESTJにとって「正しさ」は行動の基盤であり信頼の指標
この違いがあることに気づかないと、「私は軽視されている」「あの人は冷たい」といった誤解が広がってしまいます。
4. 実際のエピソードから:ENFPの内Fが暴走した瞬間
ENFPの友人はある会議のあと、こう感じていました。
・「司会もちゃんとやったのに、目を合わせてもくれなかった」
・「こっちを見ようともしない、まるでいないかのように扱われてる気がした」
・「ああ、また拒否されたんだ…って、内心ぐるぐるしてた」
そして後から、「あれ? 自分、めちゃくちゃ気にしてるじゃん」と気づいたそうです。
表向きは「気にしないようにしよう」としていたけれど、内側のFiはずっと反応し続けていたんですね。
5. INTJとしての通訳:「その人は“あなた”を見てなかったわけじゃない」
この状況を聞いて、INTJの私が思ったのはこうです。
「それ、ESTJにとっては“無視”じゃなくて“集中”だったんじゃない?」
ESTJは、「見ていた・見ていなかった」という個人感情ではなく、「目的にとって必要かどうか」で動いている。
だから、リアクションを返す必要がなければ返さないし、それが特別な意味を持つこともない。
逆に言えば、「ESTJの無反応」に傷ついていたENFPは、自分の内面にある「見捨てられ不安」や「承認欲求」に自分で反応していたということ。
つまり、相手にされなかった悲しみよりも、自分の中で意味づけしてしまった「私はいらない人なのかも」が苦しかったんです。
6. ESTJがストレスを感じる瞬間
ちなみに、ESTJがストレスを感じるのはどういうときかというと、以下のような状況です(資料より)
・手順が曖昧で変更される
・計画的に動けない状況
・感情を重視され、論理的に話が進まない
・周囲が自分に従わない・協力しない
つまり、ENFPが「やさしく関わろう」と感情的に語る場面が、逆にESTJには「非効率」「めんどくさい」と感じられてしまう可能性があります。
また、ESTJが「私がやった方が早い」と判断してタスクを引き取った場面が、ENFPには「自分は否定された」「やる価値がないと見なされた」と感じられる。
このように、お互いがまったく違う意味づけをしてしまうのです。
7. どうすればすれ違わない?
ENFPが意識するとよいこと
・「無反応=否定」ではないと知る
・相手の“目的優先”を理解し、自分の価値と切り離す
・「反応が欲しい」ときは、素直に伝える(察してではなく)
・自分のFiが過剰反応していないか、少し俯瞰する
ESTJが意識するとよいこと
・「効率」だけでなく、「相手の気持ち」に少し意識を向ける
・自分のやり方を押しつけすぎていないか振り返る
・感情に反応できないときは、言葉で補う(例:「いまは対応できないけど、ありがとう」)
・チームの中での“安心感”もパフォーマンスの一部と捉える
8. タイプは「わかり合えない」ではなく「翻訳が必要」
今回のエピソードから私が改めて感じたのは、
「性格タイプの違い」は“理解不能”ではなく“言語が違う”だけだということ。
ENFPは“気持ちのやりとり”が重要で、ESTJは“正しさと効率”が重要。
この両者は、まるで「感情語」と「論理語」で話しているようなもの。
でも、お互いを“翻訳”する視点があればちゃんとつながれる。
私たちINTJのようなタイプは、その翻訳係として感情に巻き込まれず、構造を整理して渡す役割を担いやすい。
それが今回、友人の気づきにつながったなら嬉しいなと思います。
まとめ:自分の“受け取り方”を疑ってみよう
人間関係のしんどさって、相手の態度そのものより
「自分がどう受け取ったか」「どう意味づけしたか」で苦しくなることが多い。
ENFPの「気にしないようにしようとしたけど、結局気にしてた」っていうのは正直で人間らしい。
でもそのことに気づけた瞬間から、少しずつ解放されていけるんですよね。
今回の話が、誰かの「もやもや」に少しでもヒントになればうれしいです。
タイプごとの関係改善のヒント
✅ ENFPにおすすめのヒント(感情が揺れるあなたへ)
・「感情の波=真実」とは限らない
・「察して」は伝わらない。だから言語化してみる
・相手が“見てくれない”と感じたときは、自分で自分を認める
✅ ESTJにおすすめのヒント(正しくありたいあなたへ)
・“効率”の前に、“相手の感じていること”がある
・全員が“目的思考”で動いているわけじゃない
・感情的な話が苦手なら、受け取りやすい枠を提示する
あなたへの問いかけ|この関係から何を学べる?
・自分が「つい感情的に反応してしまう」相手や出来事はどんなとき?
・相手の言動に意味を“上乗せ”してしまっていないか?
・伝わらなかったことを、「伝わらなかった自分の責任」にしすぎていないか?
・“正しさ”を大事にするあまり、相手の“気持ち”を置き去りにしていないか?
・「わかってもらえない」という感情は、何を自分に気づかせてくれている?
最後に
どんなタイプの人でも、関係性のすれ違いは必ず起こります。
でも、違いを“ズレ”として片づけるのではなく、“言語の違い”として捉えてみると、驚くほど理解が進みます。
「なんでわかってくれないの?」から、
「この人にはこう伝えたら届くかも」に変わる瞬間。
その橋渡しに、タイプ論が少しでも役に立てば嬉しいです。