自分の【正しさ】が前に出すぎるとき、対話はなぜすれ違うのか
自分の「正しさ」が強く出てしまうとき、何が起きているのか
最近、思い通りにいかない場面でイライラしてしまう自分に気づき、音声メモを使って思考の整理を続けています。
その中で浮かび上がったのは、「自分の中の正しさ」が前に出すぎてしまうことで、コミュニケーションのバランスが崩れる場面があるということでした。
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📚 もくじ
- 否定的になるとき、何が起きているのか
- 子育てにも同じ構造があった
- 思考整理のフレーム:4象限とPCCモデル
- 「違い」を見つめ、「共感」を取り戻すために
- 終わりに
・4象限で自分を見る
・PCMコミュニケーションで自分の傾向を知る
否定的になるとき、何が起きているのか
自分の想定と違う展開になると、心が乱される
相手の言動に対して、自分の中の“こうあるべき”が刺激され、つい否定的な態度をとってしまう
無意識に場をコントロールしようとする
こういった反応は、自分の内面が守られなかったり、不安や焦りを感じていたりするときに表れます。つまり「防御反応」としての“強さ”なのかもしれません。
子育てにも同じ構造があった
子どもに「時間を守ってほしい」と思うとき。つい強く言ってしまったり、急かしてしまう自分がいます。
でも、その裏には…
自分も実は時間を守れていない矛盾
子どもの事情を聞かずに、ただ「自分の正しさ」を押しつけている
本当は「安心して進めたい」「予定通りに動きたい」というニーズ
…といった、満たされない気持ちがあることにも気づきました。
思考整理のフレーム:4象限とPCCモデル
こうしたコミュニケーションの行き違いを整理するために、以下のフレームがとても役立ちました。
【4象限で自分を見る】
区分 | 見るべき視点 |
個人の内面 | 感情・ニーズ(例:安心したい、理解されたい) |
個人の外面 | 行動・言動(例:強く言ってしまう) |
集団の内面 | 関係性の質、共感、空気感(例:緊張感) |
集団の外面 | 社会的ルールや役割(例:時間厳守) |
これで状況を分解してみると、見えていなかった「本当の課題」や「相手への影響」が浮かび上がってきます。
【PCMコミュニケーション(Process Communication Model)で自分の傾向を知る】
私たちは、誰もが「伝え方」「受け取り方」に癖を持っています。
PCM(プロセス・コミュニケーション・モデル)は、心理学と行動科学をベースにした実践的なフレームワークで、自分や相手の“パーソナリティ傾向”を知り、適した関わり方を学べるツールです。
私の主な3タイプを挙げると、次のような傾向があります。
・パシスター(指示型) → 明確さや効率を重視し、行動が早い。反面、強く出すぎてしまう傾向も。 「こうあるべき」という正しさを軸に話す場面が多い。
・ハーモナイザー(調和型) → 感情や共感を大切にする優しい聞き手。対立を避けるあまり、自分の意見を伝えるのが苦手なことも。 相手の感情に寄り添いすぎて疲弊しやすい側面もある。
・シンカー(思考型) → 冷静かつ論理的に状況を分析。感情面に距離を感じることもあるが、構造化された思考に長けている。 議論では理詰めになりすぎて、感情的な関わりが抜けがち。
このモデルを知っていると、自分が「どう伝えているか」「なぜ衝突が起きるのか」を客観的に振り返る手助けになります。
他にも3つのタイプがあります。
参考サイト:https://www.kcj-pcm.com/6/
そして何よりも、「相手のスタイルに合わせたコミュニケーションを選ぶこと」が、良好な人間関係への第一歩になります。
「違い」を見つめ、「共感」を取り戻すために
思考の偏りや感情の高まりは、誰にでも起こることです。
ですが、それを責めるのではなく、「なぜそうなっているのか」「どうしたら関係を保てるか」を考えることで、対話は前に進みます。
次のようなアクションが有効でした:
ポラリティ(両極性)の視点を持ち、「主張」と「共感」を両立させる
4象限で今の状態を俯瞰してみる
4つの証言(行動/感情/思考/意図)で自己理解を深める
相手のタイプに合わせたコミュニケーションスタイルを意識する
終わりに:未熟さが教えてくれること
この振り返りは、思い通りにいかない日々の中で、自分の未熟さや矛盾と向き合うところから始まりました。
うまくいかないときほど、自分の「正しさ」が強く出てしまい、対話を閉ざしてしまうことがあります。けれど、それに気づけた瞬間から、少しずつ変わっていける気がします。
完璧じゃないからこそ、学べることがある。そしてその学びを誰かと共有できること自体が、大きな希望だと感じています。